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過去の記事 |
4、「高齢者と共存する地域づくり」(小樽市蘭島) 蘭島ふれあいネットワーク 薄田 八重子
地域の高齢者の安否確認を主な目的として、お弁当を配達する団体「蘭島ふれあいネットワーク」。 「明日はわが身という気持ちで活動しています」語る代表 薄田八重子さん。
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●活動のはじまりは町内会婦人会
● ワークショップの模様
● 蘭島会館を拠点に活動
● 保温性高いバッグ
● 担当する家へ配達
小樽市蘭島といえば、皆さんがご存知なのは海水浴場だと思います。今小樽市の中では一番高齢者が多く、3人にひとりは65歳以上という地域です。蘭島は漁師と農家、商店の3つで構成されていて、終戦直後から今で言う「福祉」にあたる、婦人会を設立し子どもたちやお年寄りの面倒を見てきた経緯があります。
「お年寄りがお風呂に入りたくて困っているから、何とかならないか」というお話がありました。理事の中で考えていこうと、勉強を始めたのが最初のきっかけです。またお年寄りが仏壇などで火の始末に困り、火事が起きると近所の声が入ってきて、少し考えてみなければという思いでした。
平成2年に小樽市でも高齢化社会が目立つ、蘭島、塩谷、銭函の3地区で「健康づくり推進委員」という健康でなければ高齢化社会は乗り切れないということで4名の理事が出て、年間6回くらいの勉強会をしていきました。そういう中で検診の受診啓蒙運動を始めたとき、回覧だけでは人は集まってこないのです。少しでも受診率を良くするためにはどうしたらいいか、手分けして電話作戦や家庭訪問をしようと、歩いてまわるため11の区に分かれたのが蘭島町会です。
家庭訪問したとき、いかに独居が多くて、人の話に飢えてなかなか帰してくれないことを目の当たりにしました。「これは放っておかれない。明日はわが身」と受け止め、それから約6年勉強会をしました。そして週1回の配食しながら安全と安否確認を始めて、今年で6年目に入りました。その間には蘭島小地区ネットワークを立ち上げ、商店、住職、民生員などの人たち全体で、地域のお年寄りが安全に住みやすい町づくりを目指しながら今日まで活動してきております。今、活動者は17名で町会がサポートしてくれます。
●配食活動について
● 和光学園からの絵手紙
● 一枚一枚手書きで書かれている
お弁当は5時くらいに夕食が取れるように届けています。お弁当を届けた時に次回の集金をしてきます。すみれ会というボランティアの団体が季節に合わせて、絵手紙を届けてくれています。時々、お弁当に添える手紙を知的障害の和光学園の人たちが、一枚一枚丁寧に書いてくれることもあります。弁当を届けた時に、除雪などをして帰ってくることもあります。
現在蘭島は520世帯ですが、人口は1000人と少しです。町会ができた40年ほど前は4500人いましたが、だんだん少なくなってきています。蘭島の特徴としては、女性が先頭になって張り切っていますので「お互いに助け合っていきましょう」ということでは恵まれた地域だと思っています。
小樽市全体の話を聞きますと「福祉除雪」にお金がかかっているそうですが、蘭島だけが「ふれあいネットワーク」があるので、利用者が少ないそうです。モデル地区と言われ、他の地区にも広がっていますが、お金をかけるばかりの福祉ではなく、お互いに助け合っている地域もあることをわかってもらえればと思っています。ただボランティアで、いつまでやってもらえるかと心配しながら、毎年ボランティア活動の人たちを見守っている状態です。
2005年3月18日、19日開催
北東白石まちづくりセンター ・北白石まちづくりセンター主催
「明るい高齢社会を描いてみよう」ワークショップより
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◆過去の記事
1.兵庫県高齢者生活協同組合
2.もくもくファーム(三重)
3、NPO法人 夢未来くんま(静岡天竜市)
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