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 過去の記事 

 NPO最前線−その3
 NPO芦屋芸術村(兵庫県芦屋市)
 ―芦屋芸術祭の運営―


●第一回コンサート

 ●地域の課題

 芦屋市民は、平成7年1月の阪神・淡路大震災から復興への懸命な努力を重ねてきました。芦屋芸術村は、心に深い傷を負った人々が癒されるためには長い月日が必要で、芸術文化に触れることが大きな効果をもたらすため、その機会を提供したいということで、市民に身近な芸術機会を提供しています。

 芸術村は、プロアマの演奏家が世代を越えて協力し発表することで、芸術を通じて人の和を思い出す機会として、芸術祭の企画を検討してきました。芦屋市も支援し、平成13年から大震災記念事業として芦屋芸術村が中心となって芸術祭が開催されるようになり、第1回のテーマは、「癒しと感動を求めて」、第2回は「こどもと芸術、それは人類の宝物」、第3回は「芸術県兵庫、芸術都市芦屋をめざして…人の和」となっています。

●第三回コンサートのポスター

 ●企画

 芦屋芸術村が中心となった実行委員会方式で、芦屋市ルナホールを会場にした洋楽、邦楽、バレエ、日舞、伝統芸能の公演を震災記念日近い日曜日(1月か2月)に、芦屋芸術際を開催しています。  企画運営は芸術村のスタッフ4、5人で始めて、その後14、15人で行い、プログラムの企画や、プロアマ演奏家との交渉、市民やこどもの出演のためのレッスン、当日進行も含めて芸術村スタッフや会員がすべて担当し、行政は関わらないのが特徴です。
<プログラム(平成14年度)>
第1部 「芸術文化の未来の担い手たちに拍手」
ジュニアコーラス・こども日本舞踊・こども弦楽アンサンブル・バレエ・フルートアンサンブル・少年合唱団・中学校吹奏楽部
第2部 「トップアーティストに魅せられて」
日本舞踊(親子家元)・フルートオーケストラ(関西一円)・虚無僧による尺八演奏・声楽・民話によるオペレッタ
第3部 「人の和で奏でる音楽こそ復興のシンボル」
芦屋フィルハーモニー管弦楽団

●第二回コンサート

 ●運営

 15人ほどの中核スタッフのもとに、HPや口コミを通じて前日には50人程度のボランティアが集まりますが、活動分担を決めるのみで、詳細で固定的な組織をつくらずに運営しています。ボランティアには当日の交通費と、昼・夕食の炊き出し券が支給されるのみですが、年々希望者が増えています。この他、芦屋市内や近畿圏の洋楽や邦楽の演奏家がボランティアで出演し、炊き出しコーナーのテントは、地元工務店が設営に協力し、震災地となった淡路島からは、直売用のたまねぎ50kgの無料提供があります。その他に生花店が会場用花の提供や、NTTグループがホームページ作成に協力し、ポスターやパンフによる広報活動は、地元企業、商店、高校が行っています。
※画像をクリックすると拡大します

     @ルナホール                 A運営ネットワーク


●第二回コンサート

  ●成果
 @文化芸術活動への関心の広がり
 芸術祭は、芸術村の自主事業「こども芸術教室」や「名曲プロジェクト合唱団」の公演機会として、地域で認められるようになってきました。邦楽や洋楽など異なるジャンルの演奏家達がプロアマ一同に集まることは、お互いに良い刺激を与え合います。そこが、プロ演奏家からも評価され、快く協力を得られています。子どもにとっては、大勢の観客を前に大きな舞台で演奏することが誇りになり、自信につながっています。
 Aプロアマ参加者やボランティアの増加による連帯
 演奏者が運営ボランティアになったり、観客やアマがプロの演奏家と一緒に炊き出しコーナーで交流できることが魅力で、参加者やボランティアが増え、平成14年度には2,000人の入場者があり大盛況でした。コンサートに炊き出しがあるのは珍しく、とても人気があります。平成14年度のポスター・パンフに、芦屋市児童画展の優秀作品を使ったところ、非常に評判がよく、その絵が市の子育て情報誌でも使われることになりました。
 B支援企業の増加
 祭を重ねる毎に、ホール前のテント設営やステージの花の提供、HP作成などに企業や商店の協力が得られています。


◆過去の記事
  • NPO最前線−その1 「社会全体を巻き込む人材育成支援サービス」 NPO法人エティック(ETIC)東京
  • NPO最前線−その2  特定非営利活動法人 子どもネットワークセンター天気村
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